SDGsがビジネスチャンスになる理由|成功のポイントや事例も紹介
SDGsの活動が広まっているなかで認知度は高まっているものの、日本ではビジネスチャンスにつながるという認識がまだ低いかもしれません。
日本には、SDGsの17の目標に関連する商品やサービスが多く存在します。SDGsは国際目標であるため、アイデア次第ではグローバルなビジネスとして活かすことも可能です。
本記事では、SDGsがビジネスチャンスになる理由や成功させるためのポイントをご紹介します。
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CONTENTS
SDGsがビジネスチャンスになる理由
SDGs(Sustainable Development Goals)は「持続可能な開発」の略で、2015年に国連サミットで策定された国際目標です(注1)。
SDGsがビジネスチャンスになる理由は、以下のとおりです。
- 新たなつながりがうまれる
- 企業ブランディングにつながる
- 資金調達にも有利になる
SDGsの目標には環境問題だけではなく、経済や社会問題も多く含まれています。そのため、目標を達成するには企業の力も不可欠であり、企業にとって今後を生き抜くためにもSDGsの取り組みが重要です。ビジネス戦略として活かすことで得られるメリットを解説します。
新たなつながりがうまれる
既存の事業ではつながることがなかった人や企業と出会い、新たな活動に取り組むことができます。取り組む内容によっては、国内にとどまらず、海外とのつながりもでき、事業の幅が広がります。
ビジネス戦略として取り入れることで、他者との差別化を図ることもでき、企業としての将来性にも期待ができるでしょう。
企業ブランディングにつながる
社会貢献している姿がステークホルダー(株主・経営者・従業員・顧客・取引先など)に好印象を与えることで、企業のイメージ向上とサービスや売上の向上に期待ができます。
またSDGsに貢献している企業を重視している若年層から注目され、人材採用の面でも有利になるといえるでしょう。
資金調達にも有利になる
環境や社会に配慮した取り組みを行っている企業向けの融資制度や、とくに近年拡大傾向にあるESG投資に期待ができるでしょう(注2)。
ESG投資とは、投資家がESG(環境・社会・ガバナンスの3つの要素を重視した取り組み)を行っている企業に対して投資をすることです。
資金が調達しやすくなることで、事業の存続や新たな事業展開など、将来的な経営の安心にもつながります。
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SDGsをビジネスチャンスにするポイント
SDGsをビジネスチャンスにするポイントをご紹介します。
- 必要な情報を収集する市場選定
- 長期的な計画で取り組む
- 人材や資金の確保
- 企業や政府などネットワークの構築
SDGsは、世界各国が取り組みを行っているため、ビジネスにおいても巨大ニーズがある新規市場です。失敗しないためには、SDGsを理解し、計画的に取り組むことが大切でしょう。
必要な情報を収集して市場選定
情報収集をしっかり行うことで、チャレンジする市場の選定や分析ができ、活動に向けた戦略を考えることができます。情報収集の種類には、新聞やテレビ・インターネットなどを用いて個人で知識を得る方法と、セミナーやワークショップなど人から知識を得る方法があります。
情報は進化するため、リアルタイムで収集を行い、将来的に成長していく市場を選定することがポイントといえます。
長期的な計画で取り組む
SDGsは持続可能な開発目標であり、達成するためには長期的に戦略を立て、取り組んでいくことが大切といえるでしょう。
世の中の状況は変化するため、取り組みにズレが生じないよう数年単位で見直しをすることも重要です。
人材や資金の確保
どんなビジネスであっても、成功させるためには少なからず資金が必要です。資金がなければ事業を維持できず、途中で挫折してしまう可能性があるからです。
SDGsやESGなど環境や社会に配慮した活動を行っている企業は、金融機関やESG投資による資金確保に期待ができるため、事業の将来性が広がります。
また、新たな事業に必要な人材についても、SDGsの取り組みを重視して企業を選ぶ若年層や優秀な人材の確保に期待ができるでしょう。
企業や政府などネットワークの構築
SDGs導入にあたり、他の企業や政府などとのネットワークの構築が必要になります。
国内に限らず、海外で事業を展開する場合も、現地の企業や政府とパートナーシップを組むことが成功へのポイントです。
パートナーシップを組むことで、信頼度が上がりSDGsの取り組みに対する理解が得られます。
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SDGsでビジネスチャンスをつかんだ企業事例
SDGsでビジネスチャンスをつかんだ企業の事例をご紹介します。
- 大川印刷
- ドローン・ジャパン株式会社
- ウミトロン株式会社
既存の事業から拡大していく企業もあれば、新しい技術を取り入れ、発展させていく企業もあります。最新技術の活用は環境問題への取り組みと同時に、農業のような人材不足で悩む企業の力にもなります。
企業の事例を知り、参考にしてみてはいかがでしょうか。
大川印刷
大川印刷はCSRを意識した活動をしており、2017年度からは本格的に事業を通じたSDGsを始めています。環境に配慮した印刷にするために、以下の活動を行っています。
CO2ゼロ印刷の推進 | 政府が運営する「Jークレジット」を使用し、排出されるCO2を再生可能エネルギーの全量と相殺、ゼロに。 |
FSC森林認証紙の使用推進 | 違法な伐採を防止するため、持続可能な資源の使用を推進。 |
ノンVOCインキの使用 | 環境や人体に有害な石油系溶剤を全く含まないインキの使用。 |
再生可能エネルギーの利用 | 太陽光パネルの設置。今後は風力も導入し、再生可能エネルギー100%を目指す。 |
また自社でSDGs経営計画ワークショップを開催し、従業員とともにSDGsの課題から解決までの戦略などを話し合い、企業全体で積極的に取り組んでいます。
ドローン・ジャパン株式会社
ドローン・ジャパンは農業に着目したSDGsビジネスを行っている会社です。
世界では爆発的な人口の増加や、環境問題による耕地面積の激減により、食糧危機が問題視されています。問題の解決には、土地や環境に左右されない作物づくりが求められています(注3)。
「ドローン&AI」技術を活用することで、農薬や化学肥料に頼らない環境にやさしい米づくりが可能になります。この技術を利用して作られたのが「ドローン米」です。
「ドローン米」の生産には、田車ドローンが導入されています。人の力で苗と苗の間を雑草対策のため田車を押していた工程、それをドローンが担ってくれるものです。
そのほかにも、ルワンダでのドローン農業、学校教育の一環でドローン農業の授業を行う取り組みもしています。
ウミトロン株式会社
ウミトロンは漁業に着目したSDGsビジネスを行っている会社です。
食糧問題や環境問題の解決に向けて、AI技術を活用し、海の環境に配慮しながらサステナブルな養殖魚「うみとさち」を育てる活動を行い、持続可能な水産を目指しています。
海の環境を守るために開発されたのが、スマート給餌機「UMITRON CELL(ウミトロンセル)」です。海に無駄な餌が流出しないよう、魚の食欲を分析しながら食欲に合わせて必要な分だけを与えることができ、従来の給餌量より2割の削減を達成しています。スマートフォンから遠隔操作で餌を与えることも可能です。
サステナブルシーフードの認知を向上させるために、今後は魚の種類を増やすことや、生産・販売・提供などによるパートナーの増加を目指しています。
SDGsでビジネスチャンスを手に入れよう
SDGsは企業の規模に関係なく、中小企業にもビジネスチャンスが期待できます。
ビジネスとして戦略を立てるなかで、より具体的な社会貢献につながる取り組みも見えてくるかもしれません。
弊社はSDGsのコンサルティングサービスを行っております。SDGsの導入を検討する際は、ぜひご活用ください。
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参考(出典):
注1 SDGsとは?|外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
注2 ESG投資|経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/esg_investment.html
注3 世界人口は2022年11月15日に80億人に達する見込み|国際連合広報センター
https://www.unic.or.jp/news_press/info/44737/
ーこの記事を書いた人ー
営業推進部
石川 智巳
(TOMOMI ISHIKAWA)
1989年生まれ。東京都出身。平井(江戸川区)育ち。
大学卒業後は、地域振興に携わるため金融機関に新卒入社。しかし、本当に困っている企業の力になれない、金融機関特有のしがらみに違和感を感じ、顧客に寄り添ったサービスを提供したいとBuyingへ転職。現在、自分の力で地元江戸川区を救うべく奮闘中。分析・調査のスキルは社内一。実務だけでなく、IT関連の業務も行う。また、フルリモートにともなう社内のIT化を進め、補助金活用支援も得意とする。
データベースの構築・運用・分析を主軸に行い、その正確性とスピード性、几帳面さで高い評価を誇る。
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