ドイツのSDGs取り組みと事例も紹介!達成度ランキングは6位
ドイツはヨーロッパの中でも経済力が高く、EU加盟国最大の人口を有する国です。
日本にもドイツのものが多く取り入れられており、有名なものではビールやソーセージ、自動車などが挙げられ、アルバイト・カルテ・リュックサックなどのドイツ語も浸透しています。
ドイツはSDGsの取り組みに関しても積極的であり、現在の世界における SDGs達成度ランキングは6位 です。日本も19位と上位の方にランクインしていますが、ヨーロッパの国と比較するとまだまだ達成に向けた取り組みに力を入れていかなければならない状況といえます(注1)。
この記事では、ドイツの特徴やSDGsの取り組みについて紹介していきます。
SDGsとは?
SDGs(Sustainable Development Goals)とは「持続可能な開発目標」と訳され、2030年までに達成したい国際目標として、17のゴールと169のターゲットから構成されているものです。
世界には貧困・気候変動・経済・ジェンダーなど多くの課題があり、SDGsは「誰一人取り残さない」ことを目標に、人類が地球上で暮らし続けられることを目指しています(注2)。
できる人・できる企業だけが取り組むだけでは達成できません。SDGsを達成するためには、問題や解決方法をきちんと理解し、一人ひとりができることから取り組んでいくことが重要と考えられます。
CONTENTS
SDGs上位国ドイツとは?
SDGs上位国であるドイツには、以下のような特徴があります。
- 経済力が高い国
- 環境先進国
- SDGsの達成状況を可視化
ドイツには日本にも馴染みのある有名な企業が多く、スポーツ用品ブランドのアディダスやプーマ、自動車メーカーのBMWやアウディなどが挙げられます。また物を大切にする文化を持っており、国民の環境意識も高い国です。
経済力が高い国である
ドイツはヨーロッパの中でも経済力が高い国です。
国の経済状況を表すGDP(国内総生産)は、アメリカ・中国・日本に次いで世界では4位と全体的に高い水準を保っています(注3)。高く評価される企業も多く、自動車の輸出やビール製造量・消費量も上位を占めています。
また、カナダの出版・調査企業のコーポレート・ナイツ(Corporate Knights)が発表した「世界で最も持続可能な100社」に選出される企業も多くあり、サステナブルな経営にも注目が集まっています(注4)。
環境先進国である
SDGs達成度ランキングで6位を獲得しているドイツは、SDGsが始まる前から環境問題に取り組んできた国であり、まさに環境先進国といえるでしょう。
徹底したゴミ分別システムの導入や、再生可能エネルギーの利用に対しても積極的な取り組みが行われています。
100箇所以上のゴミ収集場を所有する企業が、市全体から集めたゴミを焼却場でエネルギーに変換する取り組みを推進したことで、年間2,000万トンのエネルギーを作ることにも成功しているのです。
また、ドイツは環境教育も行われており、「自然と環境に対する責任感を身につける」という項目が学校の教育方針にも組み込まれています。
SDGsの達成状況を可視化している
連邦政府は2002年に「国家持続可能性戦略」を策定し、今後の取り組むべき目標を明確にしています。その内容は定期的に更新されており、近年では新型コロナウイルス感染症を踏まえた更新が行われています。
達成状況を可視化し、進捗状況や2030年までの達成見込みがわかりやすく示されていることが周知につながっているといえるでしょう。
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ドイツのSDGs取り組み
ドイツのSDGsへの取り組みは、以下のとおりです。
- 脱炭素への取り組み
- サステナブルな生活のための「5つのRE」
- ジェンダー問題への取り組み
取り組みによっては、すぐに効果が発揮できないものもありますが、小さなことの積み重ねが目標の達成につながります。ドイツの取り組みを参考に、自分たちにできることは何かを考えてみましょう。
脱炭素への取り組み
気候を保護するために、環境に悪影響を及ぼす温室効果ガスを削減し、環境負荷の少ない再生可能エネルギーの導入を目指す脱炭素に取り組んでいます。
2021年には自然エネルギーの割合が47.9%に達しており、目標としている2030年までの65%削減に着々と近づいているといえるでしょう(注5 p.8)。
ドイツ政府は2020年に「国家水素戦略」を発表し、グリーン水素が持続可能なエネルギーであると述べ、グリーン水素の活用が脱炭素達成の主要な柱になると考えています(注5 p.13)。
自動車業界においても脱炭素に向け、再生可能エネルギーを使用する電気自動車(EV)や合成燃料、水素燃料を使用するなど、低排出ガス車普及への取り組みが行われています(注6 p.25)。
サステナブルな生活のための「5つのRE」
サステナブルな生活のために「5つのRE」を取り入れています。
- RETHINK~必要なタイミングで貸し借りする
- REFUSE~買い物をしない日を作る
- REDUCE~代替品で無駄を削減
- REUSE~捨てる前にもう一度生かす
- RECYCLE~分別して再び資源として活用
このように段階に分けて取り組みを行うことで、無駄を削減し、使えるものを最後まで使い切り、環境に配慮しているのです。
取り組みの例として、ドイツのベルリンにフードシェアリングを目的とした「SirPlus」というお店があります。規格外や賞味期限が迫っているものなど、まだまだ食べられる食品を格安で販売し、フードロスに貢献しているのです。
ほかにも、ドイツ政府が公認した洋服タグがあります。これは、安価な衣料品を提供するために、劣悪な労働環境で働く人の人権を守るために考案されたものです。
また、プラスチックゴミを削減する取り組みも行われており、繰り返し利用できる素材や再生可能な資源から作られる代替品の活用があります。
新たな活動にはコストがかかるリスクもあるため、企業が取り組みを検討する場合は、計画的に行うようにしましょう。
ジェンダー問題への取り組み
ジェンダー問題への取り組みも積極的に行われており、ジェンダー平等専門の市議会議員には「どのようにジェンダー平等に貢献していくか」という説明責任も求められています。
男女平等に家事や育児・介護などを行うためには、男性の育児参加を後押ししたり、女性も活躍できるよう出世の機会を与えたり、時短勤務を義務化したりなど法整備が進んでいます。
ほかにも、性暴力法改正や同性婚を認める法律の制定などさまざまな法律が作られ、ジェンダー平等に向けた多くの取り組みが行われているといえるでしょう。
当社では、ドイツ以外にも無料事例集にて世界各国の取り組みを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
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ドイツのSDGs取り組みを参考にしよう
ドイツはSDGsが始まる前から環境に配慮した行動を取り入れてきたため、多くの企業や国民が取り組みに参加しています。
SDGsの取り組みにあたって企業の規模は関係なく、中小企業であっても、個人事業であっても、できることはあります。日本にも多くの課題があるため、企業が取り組み、発信していくことも重要です。
上位国であるドイツの取り組みを、自社のSDGs導入を検討する際、ぜひ参考にしてみて下さい。
当社では、世界各国の取り組みを紹介している無料事例集を提供しておりますので、ぜひご活用下さい。
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ーこの記事を書いた人ー
営業推進部
石川 智巳
(TOMOMI ISHIKAWA)
1989年生まれ。東京都出身。平井(江戸川区)育ち。
大学卒業後は、地域振興に携わるため金融機関に新卒入社。しかし、本当に困っている企業の力になれない、金融機関特有のしがらみに違和感を感じ、顧客に寄り添ったサービスを提供したいとBuyingへ転職。現在、自分の力で地元江戸川区を救うべく奮闘中。分析・調査のスキルは社内一。実務だけでなく、IT関連の業務も行う。また、フルリモートにともなう社内のIT化を進め、補助金活用支援も得意とする。
データベースの構築・運用・分析を主軸に行い、その正確性とスピード性、几帳面さで高い評価を誇る。
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