SDGsとワークライフバランスの関連は?実現するために必要なこと
「働き方改革」という言葉をご存じでしょうか?近年では、新型コロナウイルス感染症の流行や過労死など、さまざまな面で働き方について問題視される場面が増えています。
働き方を考えるうえで重要なのがワークライフバランスであり、自社が従業員にとって働きやすい環境と感じられるかを表す指標ともいえるでしょう。
この記事では、SDGsとワークライフバランスの関係性、企業や個人の取り組みについて解説します。
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CONTENTS
SDGsとワークライフバランスの関係性は?
SDGsの目標のなかには、ワークライフバランスが必要とされる項目があります。SDGsとワークライフバランスの関係性を理解するため、それぞれの意味について解説していきます。
- SDGsとは「持続可能な開発目標」
- ワークライフバランスについて
- SDGs目標8「働きがいも経済成長も」
SDGsとは「持続可能な開発目標」
SDGs(Sustainable Development Goals)とは「持続可能な開発目標」であり、2015年に国連サミットで採択された国際目標です(注1)。
貧困・環境・社会・ジェンダーなど世界中が抱えるさまざまな問題の解決を目指すために、17のゴールと169のターゲットを設定しています。2030年までの目標達成を目指しており、世界各国が取り組みを行っています。
ワークライフバランスについて
ワークライフバランスとは、簡単に訳すと「仕事と生活のバランス」のことです。長時間の労働を止め、プライベートの時間をしっかり確保することを促すものです(注2)。
労働時間の問題だけではなく、出産や介護など自身の置かれるさまざまな状況に対して選択できる環境をつくり、仕事を辞めずに働き続けられることでもあります。
つまりワークライフバランスとは、「仕事もプライベートもどちらも充実させること」といえます。
SDGs目標8「働きがいも経済成長も」
世界規模で考えると、人口の半分が低賃金で労働しており、国によっては子どもも労働を行っています(注3)。
この目標が目指すゴールは「すべての人が働きがいがあって人間らしい仕事に就けること(ディーセント・ワーク)」とされています(注4)。
目標を達成するためには、働けるすべての人に収入が得られるよう、十分な仕事があることが必要だと考えられています。
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なぜワークライフバランスが必要なのか?
ワークライフバランスが必要な理由は、以下のとおりです。
- 少子高齢化による働き手不足
- メンタルヘルス問題
日本でも少しずつ取り入れられていますが、海外ではもっと前からワークライフバランスを取り入れています。
今後、日本の経済活動を発展させるためにも、働く人にとって働きやすい環境をつくり出していかなくてはなりません。
少子高齢化による働き手不足
少子高齢化や働き盛りの世代が定年を迎えるなど、今後を担う働き手の不足が問題になってきます。
たとえAI技術が進んでいくとしても、人の力が必要なことはまだまだ存在します。
人口が少ない状況であれば、企業が人材を必要としていても、働き手側から選んでもらえるような企業でなくてはなりません。
企業が貴重な人材を確保するためには、仕事をしつつもプライベートが守れる労働環境や、性別・年齢に捉われない採用基準など、人事の体制を整えることが必要です。
「この会社で働きたい」と思ってもらえるように、SDGsを意識した労働環境を目指しましょう。
メンタルヘルス問題
近年、メンタルヘルスに関することは、とても深刻な問題として多々ニュースでも取り上げられています。
仕事と生活のバランスがうまくとれず、過酷な労働環境や仕事上のストレスにより、精神疾患や過労死を引き起こす原因となる可能性があります(注5)。
過労死などの問題が起こったとき「ブラック企業」として世の中に発信されてしまうと、企業にマイナスなイメージがつき、今後の経営に影響が出ることが予想されるでしょう。
働き手からしても、問題が起きた企業に自ら進んで飛び込みたくないと思うことは当然のことです。
自社のワークライフバランスについて再確認することで、問題を未然に防ぐことができるでしょう。
SDGsを意識したワークライフバランスの企業の取り組み
企業がワークライフバランスを取り入れるポイントは、以下のとおりです。
- 長時間労働にならないための対策
- 充実した休暇制度の提供
ワークライフバランスの実現には、仕事以外の時間をしっかり確保できる仕組みを構築することが重要といえます。
個人の判断に任せていては無理をしてしまう人もいるため、企業が率先して促していかなくてはなりません。
長時間労働にならないための対策
企業がワークライフバランスを実現するためには、長時間労働にならないための対策が不可欠です。
フレックスタイムなど時短勤務の導入、残業を行わないなど労働時間を削減する必要があります。
労働時間の削減は従業員を守るための対策であると同時に、企業としても集中した作業による生産性の向上や残業時にかかる賃金・設備のコスト削減にもつながり、メリットがあるといえるでしょう。
またもう一つの働き方として、今回のコロナ禍でテレワークが注目を集めています。テレワークは通勤時間が短縮できることや、人との接触機会を減らすことができるため、精神面においても有効な対策かもしれません。
充実した休暇制度の提供
企業がワークライフバランスを実現させるためには、充実した休暇制度を提供することも含まれます。
ワークライフバランスは労働時間だけではなく、休暇がしっかり取れる環境づくりもしなければ実現することは難しいでしょう。
例えば、有給休暇の制度はあるのに使用できなければ制度の意味がありません。企業は従業員が休暇を取りやすく、育児休暇や介護休暇など、仕事を続けられる環境をつくることが必要であるといえます。
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SDGsを意識したワークライフバランスの個人の取り組み
SDGsを意識したワークライフバランスのために、個人が取り組みたいことは以下のとおりです。
- 「地産地消」を意識する
- 労働時間を守り、休暇を取る
与えられた制度をしっかり利用することや、経済の活性化を目指し貢献することは一人ひとりが行っていきたい行動です。私たちにできることを考え、積極的に取り組んでみましょう。
「地産地消」を意識する
個人ができることとしては、「地産地消」を意識し、地域の経済を活性化させることです。
経済を回すためには消費者の力が必要であり、この取り組みは個人で行うことができます。
地元の生産物を消費することはもちろんのこと、地元以外の地域へ商品や食品を発信していくことも活動の一つです。
労働時間を守り、休暇を取る
労働時間を守り、休暇をしっかり取りましょう。労働基準法には、労働時間は「1日8時間・週40時間まで」と定められています(注6)。
これは労働時間内での作業にとどめ、残業をしないようにして、プライベートの時間を確保するためです。
それに加えて、有給休暇や育児休暇など取得する権利のある休暇は、しっかり取っていくことも必要とされています。
SDGs達成にはワークライフバランス実現が必要
SDGs達成にはワークライフバランスも欠かせない要素です。ワークライフバランスの取り組みを実現し、従業員の権利を守ることは企業の役目ともいえます。
当社では、SDGs導入のお手伝いとしてコンサルティングサービスを行っております。自社の取り組みと照らし合わせた、最善な導入活動をご提案します。
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参考(出典):
注1 SDGsって何だろう?|公益財団法人 日本ユニセフ協会
https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/about/
注2 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章|内閣府https://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/20barrier_html/20html/charter.html
注3 労働統計ILO新統計データベース:わずか1割の勤労者に世界の賃金の半分近くが集中|国際労働機関(ILO)
https://www.ilo.org/tokyo/information/pr/WCMS_713902/lang–ja/index.htm
注4 ディーセント・ワーク|国際労働機関(ILO)
https://www.ilo.org/tokyo/about-ilo/decent-work/lang–ja/index.htm
注5 職場におけるメンタルヘルス対策の状況|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/karoushi/18/dl/18-1-2.pdf
注6 労働基準法 第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇 第三十二条|e-Govポータル
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049
ーこの記事を書いた人ー
営業推進部
石川 智巳
(TOMOMI ISHIKAWA)
1989年生まれ。東京都出身。平井(江戸川区)育ち。
大学卒業後は、地域振興に携わるため金融機関に新卒入社。しかし、本当に困っている企業の力になれない、金融機関特有のしがらみに違和感を感じ、顧客に寄り添ったサービスを提供したいとBuyingへ転職。現在、自分の力で地元江戸川区を救うべく奮闘中。分析・調査のスキルは社内一。実務だけでなく、IT関連の業務も行う。また、フルリモートにともなう社内のIT化を進め、補助金活用支援も得意とする。
データベースの構築・運用・分析を主軸に行い、その正確性とスピード性、几帳面さで高い評価を誇る。
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